Q1. キリムって何?
Q1. キリムって何? Q3. 糸は何で染めているの? Q5. 産地はどこを選べばいいの? Q7. お手入れはどうすればいいの? Q9. 壁に飾る場合はどうすればいい? |
Q2. トルコじゅうたんって? Q4. 色んなサイズがあるけれど... Q6 NEWとOLD、どっちがいい? Q8. キリムの取り扱いで気になること |
Q1. キリムって何?【キリムって何?じゅうたんとどう違うの?】 キリムとは、トルコ語で毛足の無い平織りをベースにした織物のこと。日本の綴れ織りに似ています。じゅうたんは、縦糸と横糸に結び糸を加えて織られている、毛足のある織物です。 キリムの歴史はとても古く、トルコにおいては、アナトリア地峡で、BC7世紀ごろに織られたと思われる布の残存が残されていたり、ドラクという土地の発掘調査においてもアナトリア一帯で織物が作られていた証拠が挙がってきています。こうした長い歴史の中でセルジュク、オスマン、ジンギスカンといった時の征服者たちは、布を手厚く保護してきました。 7~18世紀にかけて、地中海から中国まで幅広く統治されてきた帝国は、大西洋から南シナ海まで交易を拡大し、この約1千年もの間にイスラムの装飾を施された豪華絢爛な布は世界を席巻しました。美しく芸術的な織物を追求する富裕層がいる一方で、生活必需品としての織物を細々と作りつづける遊牧民たち、その2つの世界が存在していました。19世紀後半になると、国際市場への需要が高まり、国益の優先からそれは独自の生き方をしてきた遊牧民や村々の人たちに対する「圧力」となっていきます。彼らは今までのような放浪生活から定住を強いられ、彼ら独自が自ら存在する権利は取り上げられ、取引や交換によってしか生き残る道はなくなりました。 こうして今まで伝統的に織られてきた布は、危機に直面しましたが、定住した部族たちの中には、家庭用や地方用の市場としてのキリムを作りつづけていました。 最近では、欧米人の「キリム収集」熱が高まり、1950~60年代は専門のコレクターたちが買い集め、その後急速に拡大、80年代中盤にはヨーロッパのインテリア市場で認知されるようになりました。現在キリムは、アンティークの芸術品としての価値のあるものと、インテリア、そしてバッグ、ベルト、靴などのファッション小物の素材に使われるものの2種類に分かれ、私たちに美しい世界を見せてくれます。 【生活の糧にもなるキリム、じゅうたん】 キリム、じゅうたんには、大きく分けて2種類があります。 1.本来の遊牧民たちの暮らしのテント生活用として ・テントの中で地面に敷く敷物 ・布団や毛布 ・テントの中で部屋を分けるための間仕切り ・食事用の布 (パンなど乾いた食物を置く布で一人に一枚ずつ) ・暑さのための日よけ、寒いときのための保温、雨、風、雪 などから身を守るための覆い ・外にいる家畜を夜露から守るためのカバー ・食物の貯蔵用 まさに厳しい自然環境の中で生き抜いていくための遊牧民たちの知恵から生まれました。 2.定住者の間で価値のあるインテリアとして ・豪華なじゅうたんやキリムは、それだけで家の「格」を表します。 ・不運に見舞われたときの財産としての価値。 (なんと高い価値のあるものはお金に交換できる。昔の日本でいう宝石や着物の価値と同じですね。) キリムの織り手は若い女性が多いのですが、単に若いというだけではダメ!織り手としてすぐれたテクニックを持っていることが重要なんです。というのも、すばらしい織りができるということは、つまり価値のある敷物を織ることができる=織物が高値で売れる=その家に繁栄をもたらしてくれるということで、高い織りの技術そのものが、結婚の持参金としての役割も果たすそう。また花嫁の家庭自体の地位を高めることにも一役買っています。 たとえば、ヘレケのお嬢さんが織るシルクのじゅうたん。 独特のつや感は、高値で取引されることも だから嫁入り前の女性は、条件のいい家へ嫁ぐためにも自分の母親や姉など血縁者からその家秘伝のキリムのテクニックを習うという慣わしがあるそうです。 HOMEへ戻る |